旧暦とは、明治の改暦以前、
1200年以上にわたって日本で用いられていた暦で、「太陰太陽暦」のことをさします。
月の満ち欠けを基準に、新月から次の新月までを1ヶ月とし、12朔望月を一年としていました。
新月が必ず1日になり、一年のはじまりは立春に一番近い新月の日。
人々は月齢で日付を知ることができたのです。
旧暦では1年は約354日となり、
365.24日で1週する太陽の動きとズレが大きくなるため、約3年に1度、「閏月」を設け、一年を13ヶ月にして調整していました。
つまり、旧暦は、潮の満ち引きをはじめ、生命活動に影響を与える月の満ち欠けと深く結びついた暦でした。
一方、新暦とは、明治の改暦以降に取り入れられた、「グレゴリオ暦」のこと。
太陽の進行リズムのみに焦点をあてて作られた暦です。
規則正しく、定期的な休日をとるには適していますが、月の満ち欠けをはじめとした、自然のリズムを感じにくいものになっています。
季節の移ろいを繊細に感じ、大切にする日本人の感性はどのように育まれてきたのでしょうか。
旧暦は「月日と季節がずれてしまう」。
そこで日本人は太陽の巡りをベースにした「二十四節気」を四季を知るための手がかりとしてきました。
明治の改暦以前、日本人は月の運行をもとにした短いサイクルと、太陽の巡りによって移り変わる四季のサイクルを併用してきたのです。
和の暦には、「時」をとらえるための知恵がさまざまに詰まってます。
季節の移ろいを知ることは、農作業に必要不可欠なことでしたが、
同時に日本人の感性を育ててきたのです。
旧暦のことや二十四節気、雑節、月の満ち欠け、旬の味覚や草花、祭りなどをを知ることは、日本の文化を知ることでもありますね。
NPO 法人日本ホテルレストラン経営研究所